クジラの島の少女
製作年 : 2002年
製作国 : ニュージーランド=ドイツ
監督 : ニキ・カーロ
出演 : ケイシャ・キャッスル=ヒューズ/ラウィリ・パラテーン/ヴィッキー・ホートン/クリフ・カーティス

配給 : 日本ヘラルド映画

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STORY

クジラに導かれた勇者伝説を信じるニュージーランド、マオリ族。 その伝説を基に、女流監督カーロが因習や性差別と闘う映画として作り上げた感動作。 代々、男を族長として続いてきた家にふさわしい勇敢な男の子の誕生を切望されながら生まれてきた少女パイケア。 出産時に母親は死に、父親は村を出て行ったため、祖父母に育てられた。 やがて勇者の血を発揮していく彼女は…。 不思議な運命を自ら切り開く愛と勇気の物語。




INTRODUCTION

各国の観客賞を受賞した作品だ。以下に上げてみよう。

2002-トロント国際映画祭・観客賞受賞
2003-サンダンス映画祭ワールドシネマ部門・観客賞受賞
2003-ロッテルダム映画祭 Canal+観客賞受賞

北野監督がベネチア国際映画祭で「観客賞が一番嬉しい」と言っていた。
3つもの観客賞を受賞したカーロはどんな気持ちだったのだろうか、さぞ嬉しかったに違いない。

監督ニキ・カーロはマオリ人で、マオリ人作家ウィティ・イヒマエラの原作を映画化したのだ。
マオリ族である彼女が、内に秘めた思いを世に切実に訴えたいがために作られた作品なのかもしれない。 伝統的な男社会に対する性差別的な部分を批判しながらも、「伝統の断絶」を恐れ若者に引き継いでいってもらいたいという期待も垣間見える。

しかし「伝統の断絶」というテーマ自体はおそらくどの国のどんな地域にもあり得るものだと思う。
日本でいえば、祭り行事はまさにそうだろう。
この映画に登場する地域社会の問題は、遠いニュージーランドの物語ではなく、 私達の日常の中にもあるものだと思う。
伝統的な神事や土着の信仰心が持つエネルギーを、 私達はこうした祭りを通して今も吸収することができるのではないだろうか。 マオリの民族意識が薄れていくさまがコミカルに描かれているが、味わいが深い。

ともかくこの作品は、そんなニュージーランドの民族問題や性差別の問題を含みながらも、ニュージーランドの大自然の魅力を感じさせるものになっている。 随所に広大な大自然の描写を盛り込んでいて、時には眠く・・いやいや、その絵だけでも心が温まるというか、ジーンとくるものがある。 クジラの力強い遊泳もとても魅力的だ。

ニュージーランド人は日本人と似ているとよく言われる。むろん顔ではない。
気質というのか、日本と同じ島国であるから、どことなくシャイで感情を表に出さない、内に秘める感じだ。
ニュージーランドでは、その昔イギリス人がマオリ族に差別的扱いをしたという忌まわしい過去 の事件があり、それを教訓にマオリの人々はどんな民族に対しても差別しないという意識が人々の中にある。 この点においては日本人と逆であろう。

さて、物語は、祖父と少女の葛藤を軸に展開していく。 一族の長は絶対に男でなければならないと主張する祖父と向き合い、ただ一人で運命に立ち向かうパイケアのけなげさ、ひたむきさが切ない。痛いほど胸を締め付けられる。 そして最後には祖父と並んだ少女の笑顔がすべてを癒してくれる。心温まる映画でした。

ニュージーランドの自然を生かしつつ神話的なスケールで物語を紡ぐことが出来たのは、やはりニキ・カーロが撮ったからに違いない。 パイケアを演じたマオリ人のケイシャ・キャッスル=ヒューズの喜びと悲しみを絶妙に表現した輝く瞳が、 物語に圧倒的な神聖さを与えている。民族の誇りや家族の絆、人間の愛を感じさせてくれる。 彼女の存在が感動的な物語を支える生命線になっている。


ちなみに、ニュージーランドのカイコウラという場所ではホエールウォッチングを堪能できます。 クジラがゴロゴロいます。



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